


「武者小路実篤は、武蔵野に家を探していた。それには三つの条件があった。一つは水があること、二つは古い土器が出ること、三つは土筆(つくし)がはえていること、であった。
この三条件は非常に素朴だともいえるが、ものすごくぜいたくだともいえる。これは彼の文学の秘密を語っているのではないだろうか。素朴であるが、かなり恵まれていなければできない素朴さなのである。
そして実篤は、仙川に彼の条件を満たす土地を見つけ、晩年を過ごした。」(『武蔵野を歩く』海野弘著より)
仙川の商店街を抜け、桐朋学園を横切り住宅街の中に入っていくと「
武者小路実篤記念館」があります。白樺派を代表する作家・武者小路実篤が晩年、安子夫人と夫婦二人で静かに過ごした自邸が開放され記念館として市民にも親しまれています。記念館に隣接する緑豊かな実篤公園は無料で一般に公開されています。
冒頭の海野氏が表すように、真に心が満たされていたからこそ、実篤はあえて煌びやかなものを求めず彼の人生に必要な素朴で美しいものを求め愛したのでしょう。
当時のままの旧実篤邸の仕事部屋や応接間を見ると彼の暮らしぶりや仕事への熱意、美意識、人生観が伝わってきます。
生まれ持った品性と長い作家生活で培われた文化・教養によって、本当の豊かさを見つめていた実篤に時代を超えて共感を覚えるのは私だけでしょうか。
調布市武者小路実篤記念館〒182-0003 東京都調布市若葉町1-8-30
TEL 03(3326)0648
HP:
http://www.mushakoji.org/index.html開館(園)時間:午前9時~午後5時(閲覧は午前10時~午後4時)
休館日:月曜日(祝日のときはその翌日)(翌日が祝日のときはその翌日) 年末年始
入場料:大人 200円 小・中学生 100円 (調布市在学、在住の小・中学生は、毎週土曜日に無料パスが利用できます。)
交通機関:<京王線>仙川駅またはつつじヶ丘駅下車徒歩10分