ヴェネチアに行ったら、訪ねてみたいお店がありました。
Cavalier(カバリエール)という額縁や鏡・木製の彫刻品などを制作している工房ショップです。
今から60年前に開店したその小さな工房兼お店は、サン・ステファーノ教会の近くにひっそりと佇んでいました。
中に入ると、私が好きなものがいっぱいありました。
オーナーらしき男性は、大きな額縁の彫刻品に金箔を貼り付ける作業をしていました。もくもくと作業にとりかかっているようでしたが、私たちを見ると手をとめてフレンドリーに話しかけてくれたりと愛嬌のある職人さんでした。明るい雰囲気がヴェネチアの職人さんらしいですね。ちなみに彼が貼り付けている金箔は24金だそうです。
私が欲しかったのは「天使の彫刻」です。お店に置かれていた小さな天使の微笑にすっかり惹きつけられてしまいました。きっと数々の教会で見た宗教画の中の天使達にうっとりしたからかもしれません。
少し値が張りましたが、私は二つの天使を持ち帰ることにしました。ハンドメイドですので二つの天使の表情が微妙に違います。これはお店の男性のお父さん(アルベルト・カバリエール氏)が彫った作品だと教えてくれました。もちろん、その技巧と美意識は先代から受け継いだもの。こうやって、長い年月をかけてファミリーの中で培われた技術と伝統の結晶でもある作品だと思うと、なんだか温かな気持ちになってきます。
帰国してからさっそく自宅の東側にある出窓の上に天使を飾ってみました。時が経つにつれてこの壁にも馴染んでくれたらいいなと思います。毎朝、日の光が入ってくるのを上から柔らかに見守ってくれることを願いながら。
