2008年9月30日火曜日

天使の彫刻






ヴェネチアに行ったら、訪ねてみたいお店がありました。

Cavalier(カバリエール)という額縁や鏡・木製の彫刻品などを制作している工房ショップです。

今から60年前に開店したその小さな工房兼お店は、サン・ステファーノ教会の近くにひっそりと佇んでいました。

中に入ると、私が好きなものがいっぱいありました。

オーナーらしき男性は、大きな額縁の彫刻品に金箔を貼り付ける作業をしていました。もくもくと作業にとりかかっているようでしたが、私たちを見ると手をとめてフレンドリーに話しかけてくれたりと愛嬌のある職人さんでした。明るい雰囲気がヴェネチアの職人さんらしいですね。ちなみに彼が貼り付けている金箔は24金だそうです。

私が欲しかったのは「天使の彫刻」です。お店に置かれていた小さな天使の微笑にすっかり惹きつけられてしまいました。きっと数々の教会で見た宗教画の中の天使達にうっとりしたからかもしれません。

少し値が張りましたが、私は二つの天使を持ち帰ることにしました。ハンドメイドですので二つの天使の表情が微妙に違います。これはお店の男性のお父さん(アルベルト・カバリエール氏)が彫った作品だと教えてくれました。もちろん、その技巧と美意識は先代から受け継いだもの。こうやって、長い年月をかけてファミリーの中で培われた技術と伝統の結晶でもある作品だと思うと、なんだか温かな気持ちになってきます。

帰国してからさっそく自宅の東側にある出窓の上に天使を飾ってみました。時が経つにつれてこの壁にも馴染んでくれたらいいなと思います。毎朝、日の光が入ってくるのを上から柔らかに見守ってくれることを願いながら。

2008年9月27日土曜日

ヴェネチアの絵画―ティツィアーノの聖母被昇天



ヴェネチアには一体どれだけの数の教会があるのでしょう?と思わせるほどたくさんの教会があり、そこにはヴェネチア派と呼ばれる画家達が描いた貴重な宗教画がおさめられています。

なかでも私が最も見てみたかったのはサンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会にあるティツィアーノの作品『聖母被昇天』(Assunta)でした。英語では聖母被昇天をAssumptionといいます。
私がかつて通っていたカレッジ(海外)はカトリック系で、Assumptionという名前がつく学校でした。

聖母被昇天とは、聖母マリアの死後、魂が肉体に戻され、神によって天使たちに囲まれながらマリアの肉体が天に召される(上げられる)ことです。

その絵は、厳粛な雰囲気のある教会内の主祭壇の背後に飾られていました。

絵を見るとそのダイナミックな構図と温かい色彩、そして躍動感溢れる動きに魅了されます。

この一枚の絵には2つの世界が表現されています。つまり「天」(heaven)と「地」(earth)で、天空の上では神が見守っています。地上にいる使徒たちに驚かれるまま、聖母マリアは神を見つめ天使達に囲まれながら今まさに天に昇って行く姿を描いています。

こういう絵を見ていると一枚の絵の中にしっかりとコンセプトがあり、見ている人に物語やメッセージが伝わります。そしてそのヴィジュアルが永遠に人の心のうちに刻まれるのです。

2008年9月20日土曜日

Inspired by Venice







9月に入って、旅行でイタリアのヴェネチアに行ってまいりました。
今回は調布の話題からそれますが、ヴェネチアで感じたことなどを書き綴っていきたいと思います。

夫婦で2年前にローマとフィレンツェを訪れてからイタリアに魅了され、「今度はヴェネチアに滞在したい」という夢がついに実現しました。幸運にも天候に恵まれ、水の都・ヴェネチアがより一層美しく見えるひとときを満喫できた一週間でした。

夫はイタリアの教会を訪れては教会内の宗教画を見ることが好きなため、私たちの滞在のほとんどが教会(及び美術(博物)館)巡りに充てられました。

イタリアの街を歩いていて一番いいなと思うのは街並みです。古い時代に建てられた建造物が現代までずっと修復されながらも人々に愛着を持って使用されていて、その落ち着きある佇まいがいいのです。

しかもヴェネチアには、文明の利器・自動車が走れるような道路はなく(もちろん電車も地下鉄もない)、交通手段は運河を通るボートか水上バスのみ。スピーディで効率的な世界とは無縁です。そのためか、ここでの時間は実にゆったりと流れています。

サンマルコ広場にある鐘楼にのぼって島全体の景色を眺めているとき、傍に居たアメリカ人の女性は「昔の時代に戻ったよう・・・」と感動した面持ちで私に話しかけてきました。

そんな美しい街に来て数日間過ごすだけで考え方にも変化をもたらします。

例えばそれは、「古いものを大切にし価値を置く」、「歴史を語り、伝統を受け継ぐ」、「人々や生活の中に信仰、あるいは哲学が息づいている」ということにあらためて気づかされるのです。

こういう骨太な骨格があるヨーロッパの文化にひどく感化された旅でした。

2008年9月1日月曜日

鴨工房の器




私が持ち帰ったのは、掌サイズの器です。

一見白いのですが、よく見るとうっすらと淡い草色がブレンドされています。カタチも気に入りました。

先日(花火鑑賞会の時)活けた花を乾燥させるとドライフラワーになったので、このように数個、器の中に飾ってみました。

どうでしょう?夏の思い出をドライフラワーにして、鴨工房の器にとじ込めました。

自宅でそんなことをやっていると、もう夏も終わり、秋の気配を感じ始めました。

鴨工房作陶展@niwa-coya






久し振りにギャラリーの話題です。

長雨が続いていましたが、日曜日の午前中は、晴れたので仙川のギャラリー・niwa-coyaさんに行ってきました。

8月29日から行われている今回の展覧会は、「鴨工房作陶展」です。

31日(土)は、ちょうど作家さんお二人が在廊していました。茨城県の笠間で陶芸活動している鴨さん夫妻(鴨瑞久さん・鴨暁子さん)の作品は淡い色使いで優しい雰囲気のするものばかりです。私は、ほのかに漂う幻想的な色使いが好きでしたので、視覚的に癒されました。

作品を手に持ってみると、やはりひとつひとつ丁寧に作られていてホワンとした温かみが伝わってきました。穏やかな物腰の鴨さんご夫妻も素敵でした。

それから31日はniwa-coyaさんのカフェが出張カフェ・「ちかいカフェ」によるメニューでした。頂いたコーヒーとオリーブチーズパンは美味しかったです。コーヒーカップは以前ブログでも紹介したLIVING STONEさんのもの。本当に飲みやすい器ですね。

会期が9月21日(日)までと長く、鴨さんによると途中作品が入れ替わる可能性もあるとか。ぜひ、気持ちがホワンとしたい方は行ってみてはいかがでしょう。


鴨工房作陶展
会場:ギャラリー・niwa-coya
HP: http://www.niwa-coya.com/
会期:8月29日(金)~9月21日(日)(月曜日及び9/12~14はお休みです)
作家在廊日:8/30(土)・31(日)9/20(土)・21(日)