2009年2月25日水曜日

調布映画祭2009のお知らせ 


3月4日(水)~8日(日)まで調布市では「調布映画祭」が開催されます!

以前、調布スタディーズでも紹介したように、調布は映画の街として知られています。そんな映画の街独特のイベントになります。

3月4日(水)15:00~には(会場:調布市たづくり・くすのきホール)映画美術の巨匠・木村威夫氏と映画監督・山崎貴氏のトークショーがあるそうですので、興味がある方はぜひ足を運んでみてください。
http://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=8493

木村威夫氏はブログにも書いた日活芸術学院の学院長でもあります。

後半3月6日(金)~8日(日)の3日間は、「調布市文化会館たづくり」と「調布市グリーンホール」で無料で映画が上映されます。上映予定は下記になります。(写真は3月8日(日)に上映される荻上直子監督の「かもめ食堂」です。)
http://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=8035   

今回上映する映画の中のいくつかはここ調布市内の撮影所で製作されたものもあります。長い間、洋画に押された感があった日本映画もここ数年は世界的にも注目されつつあります。海外の名だたる映画祭で受賞を経験し、若手の監督は鋭い感性で作品作りをしながら新しい価値観を生み出し、世界に発信しています。

今、様々な意味で自信を失いつつあるこの国、日本にも「才能ある人材」・「ものづくり」・「感性」・「メッセージ」が凝縮した映画という「文化」がしっかりとあることを認識し、あらためてその素晴らしさを誇りに思うのではないでしょうか。

私も調布市内に来てからずっと行きたいなあと思いながら毎年行くチャンスを逃していましたので、今年こそは映画祭の会場に足を運んで感動を味わいたいと思っています。

調布映画祭2009

日時:2009年3月4日(水)~8日(日)
場所:調布市文化会館たづくり・調布市グリーンホール
入場料:無料
詳細はこちら→http://www.chofu-culture-community.org/forms/menutop/menutop.aspx?menu_id=703

2009年2月18日水曜日

「環境講座」レイチェル・カーソンから学ぶ




2月14日(土)に調布の西部公民館で開催された「環境講座」<まだ、間に合うのか?“環境と文明のゆくえを探る”(全3回)>を聴講してきました。

第2回の今回は恵泉女子学園大学名誉教授・元学長の石井摩耶子先生による「レイチェル・カーソンの『沈黙の春』などから学ぶ」という講座でした。先生の教えていらしたキリスト教系の恵泉女子学園大学では、昔から「園芸学科」という国内の女子大でもユニークな学科があるので注目されています。

沈黙の春」(原題・Silent Spring)であまりにも有名なレイチェル・カーソンは、私が高校時代に英語の教科書で教材(一部)として使われていたのでよく覚えていました。

1962年にアメリカの女性海洋生物学者であったレイチェル・カーソンが農薬・DDTの危険性を事例にして、環境の汚染と破壊の実態を告発し、自然の摂理を無視し、生命の連鎖を断ち切るような技術利用・文明社会に警鐘を鳴らしました。

高校時代に学んだことで印象に残っているのは、このDDTが使用され続ける限り、自然の生態系が壊され、ゆくゆくは寒い冬が終わり春が訪れても生き物(野外の昆虫や野鳥など)の鳴き声やざわめき、生命の営みが聞こえてこない「沈黙の春」を迎えるであろう、という警告でした。

公民館の講座の前半では、このレイチェル・カーソンの生い立ちから学んでいきました。人生における影響力を与えた人物の存在と出会い、という点で興味深く学べました。

彼女の思想を決定づける最初の重要な影響力は彼女の「母」の存在です。牧師の娘として神学校を出たレイチェルの母は、子どもに創造力と感受性を育むために自然について学ばせることをしました。レイチェルの自然に対する鋭い観察眼はこの子供のころの母との野外体験にあったようです。

読書好きで文才があったレイチェルは作家を目指して、せっせと文学雑誌に投稿し、受賞した経験もあります。後に、科学者でありながら天才的な文才を持ち合わせた彼女は著作活動で能力を発揮し、評価されることとなります。

お金を工面して入学したペンシルバニア女子大学では、第二の影響力を受けたとも言われる「師」との出会いがあります。生物学を専門にするメアリー・スコット・スキンカー教授(女性)です。理想が高く、独創的で興味を惹く授業や実習を展開し、結果よりも努力を惜しまない学生をあたたかく励まし、いい加減な学生には容赦しない公平な先生だったようです。

この教授との出会いにより文学を専攻していたレイチェルは海洋生物学を専門に転じます。大学を出た後は、経済的理由から公務員となり、魚類・野生生物局にて広報物の執筆や調査などを行います。その時に出版した本「わられをめぐる海」がベストセラーになります。そして「沈黙の春」への執筆に至ります。

そして講座の後半部分では、「環境教育家」としてのレイチェルについて紹介されました。

レイチェルの姪の幼い息子ロジャーのために書かれた「センス・オブ・ワンダー」という本から石井先生が選ばれた言葉を抜粋してここに記します。共感する内容ですので、長いですが、味わいながらゆっくりとご覧下さい。命に対する女性たちの感性を養おうとしたレイチェルの言葉が心にじんわりと響きます。

●もしも私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けて欲しいと頼むでしょう。この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、私たちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです(『センス・オブ・ワンダー』21-2頁)。


●美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知のものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などの様々な形の感情がひとたび呼び覚まされると、次はその対象となるものについてもっと良く知りたいと思うようになります。そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身に付きます。消化する能力がまだ備わっていない子どもに、事実をうのみさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切り開いてやることの方がどんなに大切であるかわかりません(同上書23頁)。


●人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。自然界を探検することは、貴重な子ども時代を過ごす愉快で楽しい方法の一つに過ぎないのでしょうか。それとも、もっと深い何かがあるのでしょうか。私はその中に、永続的で意義深い何かがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう。(同上書50頁)


参考までに「センス・オブ・ワンダー」の翻訳者・上遠恵子氏のインタビュー記事
http://eco.nikkei.co.jp/interview/article.aspx?id=MMECi3009026122007

写真は鳥の囀りに耳を傾けるレイチェル・カーソンと昨年の春、多摩川沿いで撮ったもの。